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その母親の言葉に春哉は慌てて
「別に夕食一緒じゃなくてもいいだろ。俺が何か今度お礼しておくから。」
と、言ったが母親は華麗に無視を通し唯奈に畳みかけるように話し続けた。
「唯奈ちゃんがいなかったらもっと時間が掛かってたわ。凄く助かったから御礼に、ご馳走したいのよ。夕食準備の間は春哉の部屋でゆっくりしていてね。」
烈火の如く話す母親に唯奈は圧されて承諾してしまう。そして春哉は小さな声で愚痴をこぼしながら唯奈を二階にある新しい自分の部屋に案内する。
「さっきも見たけど…すごい量の荷物ね。最初入りきるのか疑問だったよ。」
「俺も俺も。漫画の量がとんでもないからな。」
唯奈をベッドに座らせ、春哉は漫画を本棚に移す。そこで春哉の部屋の真ん中にある透明でお洒落な丸テーブルにある何冊かのノートに唯奈が気付く。
「このノートどうしたの?」
「あ、そのノートなんかこの押し入れの中に入ってたんだ。多分前の入居者のものなんだろうけど普通何冊も忘れるか?」
「確かに。ちょっと中身見てもいいかな。」
「俺に許可とっても意味ないだろ。俺も見たいからちょっと待ってろ。後少しで一段落つくから。」
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