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日記は幸せな物ばかりであった。頁をめくる毎に現れるとても可愛らしい絵。字も僅かな違いであるが少しずつ巧くなっていて子供を持った訳ではないがまるで自分の子供の成長を見守るような心境になる二人。
「微笑ましいね。」
「ああ。内容もお母さんが大好きなのが伝わってくるよな。」
…一冊目の終わりは3月の終わり頃。
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2008.03.29
今日は久しぶりに会うお父さんと遊びました。
お父さんはなんだか疲れててあまり楽しくなさそうでした。
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初めて出てくる父親の存在。
「離婚したのかな…。」
寂しげにポツリと唯奈が呟く。
「別にそんな感情移入しなくっても…。もっと気楽に読もうぜ。まだ離婚したとは決まってないんだ。単身赴任かもしれないだろ。さ、二冊目を読むか。」
春哉は二冊目のノートに手を伸ばし一頁目を開く。
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2008.04.05
今日は
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「……。」
二人して黙りこむ。ノートは一頁目の<今日は>という部分だけを残して破られていた。
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