7人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
意味が解らなかった。
何故 俺は逃げているのか?
いや、追い掛けられているのか?
唯一考えられる理由は『あれ』しかなかった。
どこから身元が割れたのか?
ハッキングは完璧なはずだった。
バレるわけが無い、と自分の能力に陶酔していた。
自分が死神に魅入られるなどとは微塵も考えてはいなかった。
しかし、現実は違った。
こんな蒸し暑い夜に、街灯もまばらな都会の片隅を全力疾走する羽目になってしまった。
息切れがする。
あんな仕事は引き受けるんじゃなかった。
高額な報酬に魔がさした。
後悔は先に立たない。
最初のコメントを投稿しよう!