1章 蹂躙

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夕日が、空を赤く染めながら、山の向こうに沈んでいく。 真ん丸だった夕日は、やがて半分になり、どんどん小さくなってゆく。 濃紺のベールが、後を追うように空に広がり始め、労働の終わりを告げる。 畑に鍬を入れていたセイは、手を止めて空を見上げた。 (終わり、か…) 身労からの解放と、夕刻の郷愁に、しばし身を任せる。 「おい、何やってるんだ!!さっさと道具を片付けろ!!」 しびれを切らした監視の声が飛ぶ。 「は、はい…!!」 叩きつけられた鞭の音に、セイは慌てて鍬を土から抜き、畑を後にした。
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