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「全く………」
男性が雪が降る空を見上げた。
「死に際の奴の言う言葉かよ」
顔に当たる雪も気にせずに、消えそうな声で呟く。
「死に際じゃないです。
死ぬではなく壊れるですよ。
魂のない者は死ねません」
男性の言葉にすべて返す少女。
男性はただただ星が見えない曇った空を見て黙った。
声の聞こえなくなったので、男性の気持ちを察したのか少女は微笑みを無くした。
「意地悪してすみません。
黙らないでください。
寂しいじゃないですか」
「…………誰のせいだ」
男性はまた少女の顔に視線を戻した。
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