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少女の長い睫毛の上に雪が装飾品のように光る。
少女はまた笑みを浮かべた。
「後悔してますか?
私と過ごした事を」
男性は少女の頬の上に乗る雪を優しく払う。
「後悔なんかしてないさ。
むしろ感謝してるよ」
「ふふっ」
少女が幸せそうに笑う。
「貴方を選んでよかったです。
あの、私の手は冷たいので
貴方の手で
温めてくれませんか?」
「任せろ」
少女の右手を両手でしっかりと握りしめた。
白い手の甲を優しくさする。
「温かいだろ?」
「ええ、とても」
少女は笑う。
「ありがとう」
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