第一話

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「きゃあああああ!」  む! 「光希! 今だ!」  待ってましたぁ!  俺は窓を突き破り、風紀委員室へと突入した。  まず目に入ってきたのは、我がiポッドを持つ山音アツの姿。よほど驚いたのだろう。スカートがめくれあがって縞々パンツが丸見えである。青と白のストライプだと。こんなの……こんなのって……。  正直、堪りません。  ま、性欲は溜まっていますけどね! 「光希! ボケてる暇は無いぞ!」  おっとそうだった。  呆然と佇むアツの手から、麗しのiポッドを奪い取る。 「あ!」  そこでやっと我に帰ったようだった。 「雄也、ずらかるぞ」 「ああ」  まるで風のように、俺達は部屋から駆け出でた。 「ま、待ちなさい!」  へっ、待つわけねーだろ。さいならー。 「待てって言ってるでしょうが!」  うわ、追ってきやがった。しかも速い。  こうなったら、悪口を言うしかない。 「悔しかったら捕まえてみな! つるぺたさんよ!」 「なっ……!」  その瞬間、アツの顔は真っ赤に染まった。 「あんた、一番言っちゃいけないことを――」  加速しやがった。やばい、追いつかれる。 「言ったわねぇ!」  まずい。  これは追いつかれるかもしれない。捕まったら最後、俺と雄也の命(貞操)が危ない。  嫌だ! まだ死にたくない!  アツの手が、俺を掴もうと伸びてくる。  万事休す。  そう思われた。  しかし、 「あわっ!」  あともう少しのところで、アツは派手につまづき、派手にこけた。  痛そうだ。  だがそんなの知るか。俺は逃げるぞ! 「いたた……」  さらば! 「うぅ……なんなのよもぉ~」  アツの嘆きを聞きながら、俺と雄也は学校を後にした。
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