2人が本棚に入れています
本棚に追加
「きゃあああああ!」
む!
「光希! 今だ!」
待ってましたぁ!
俺は窓を突き破り、風紀委員室へと突入した。
まず目に入ってきたのは、我がiポッドを持つ山音アツの姿。よほど驚いたのだろう。スカートがめくれあがって縞々パンツが丸見えである。青と白のストライプだと。こんなの……こんなのって……。
正直、堪りません。
ま、性欲は溜まっていますけどね!
「光希! ボケてる暇は無いぞ!」
おっとそうだった。
呆然と佇むアツの手から、麗しのiポッドを奪い取る。
「あ!」
そこでやっと我に帰ったようだった。
「雄也、ずらかるぞ」
「ああ」
まるで風のように、俺達は部屋から駆け出でた。
「ま、待ちなさい!」
へっ、待つわけねーだろ。さいならー。
「待てって言ってるでしょうが!」
うわ、追ってきやがった。しかも速い。
こうなったら、悪口を言うしかない。
「悔しかったら捕まえてみな! つるぺたさんよ!」
「なっ……!」
その瞬間、アツの顔は真っ赤に染まった。
「あんた、一番言っちゃいけないことを――」
加速しやがった。やばい、追いつかれる。
「言ったわねぇ!」
まずい。
これは追いつかれるかもしれない。捕まったら最後、俺と雄也の命(貞操)が危ない。
嫌だ! まだ死にたくない!
アツの手が、俺を掴もうと伸びてくる。
万事休す。
そう思われた。
しかし、
「あわっ!」
あともう少しのところで、アツは派手につまづき、派手にこけた。
痛そうだ。
だがそんなの知るか。俺は逃げるぞ!
「いたた……」
さらば!
「うぅ……なんなのよもぉ~」
アツの嘆きを聞きながら、俺と雄也は学校を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!