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「そっそうよ、そう!お風呂屋さんなの。マコちゃんがバイトしてくれるんなら大助かりよ。じゃぁささっそく今日からね!」
おじさんの方は、すぐに満面の笑みを浮かべると、
そそくさと真琴の手を引いて玄関に向かい始めた。
「えっ、今から?」
「そう、今から!マコちゃんの気が変わらないうちに!」
引きずるように真琴をつれていくおじさんを圭司が追ってくる。
「おいっ、オヤジ!ちょっと待てよ!」
「後片付けお願いねー、圭司」
おじさんは、まるで圭司から逃げるように真琴を連れて走り、
駐車場の車に乗り込むとエンジンをかけた。
「あ、そうだ。マコちゃんて、男の子とお付き合いしたことあるのよね?」
走り出した車の中でおじさんは唐突にそんなことを聞いてきた。
「え?うん、あるけど……」
「ならいいのよ」
それがバイトとどう関係があるのか不思議に思う真琴を乗せて、
車は夜の街を駆け抜けていった。
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