951人が本棚に入れています
本棚に追加
(ちょっとぉ…どぉしよう。どおしたらいいの……?)
再び廊下を歩きながら、真子の心臓の鼓動はどんどん速まっていく。
「源氏名はマコでいいかしら。考える時間ないし……。ほら、そこのドアからお客様が出ていらっしゃるから、ここで床に三つ指ついてご挨拶するのよ」
言われるままに真琴は、少し広くなっているその場所で床に膝をついた。
すぐに小太りの中年男性が姿を現す。
「いらっしゃいませ。こちらマコさんです」
「マ……マ、マコです……」
ひっくり返ったような変な声になってしまった。
おじさんがすかさずフォローする。
「マコさんは今日がデビューなんですよ。いたらないところがあると思いますが、よろしくおねがいします」
「初めてか。新鮮で良いね」
客は上機嫌だった。さっきおじさんに説明を受けた部屋で二人きりになると、
おどおどしている真琴に構わず、さっさと自分で服を脱ぎ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!