おじさんのお店

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(ちょっとぉ…どぉしよう。どおしたらいいの……?)   再び廊下を歩きながら、真子の心臓の鼓動はどんどん速まっていく。   「源氏名はマコでいいかしら。考える時間ないし……。ほら、そこのドアからお客様が出ていらっしゃるから、ここで床に三つ指ついてご挨拶するのよ」   言われるままに真琴は、少し広くなっているその場所で床に膝をついた。 すぐに小太りの中年男性が姿を現す。   「いらっしゃいませ。こちらマコさんです」   「マ……マ、マコです……」   ひっくり返ったような変な声になってしまった。 おじさんがすかさずフォローする。   「マコさんは今日がデビューなんですよ。いたらないところがあると思いますが、よろしくおねがいします」   「初めてか。新鮮で良いね」   客は上機嫌だった。さっきおじさんに説明を受けた部屋で二人きりになると、 おどおどしている真琴に構わず、さっさと自分で服を脱ぎ始めた。
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