『売り言葉に買い言葉』

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「どの部屋だ?」   大股に歩く圭司はきつく真琴の腕を握り、 低い声は冷たい。   (な……なんで、こんなに怒ってるの?)   不安な思いの真琴をつれて部屋に入った圭司は、 不機嫌な表情で真琴の正面に立った。   「脱がせろ」   「ケイちゃん……」   「早くしろよ。客は時間単位で金払うんだぞ」   拒否を許さない声に少しおびえながら、 真琴は圭司の服のボタンにに手をかけた。 子供の頃、風呂上がりの時などばんつ1枚の圭司は何度も見た。 でも大人の体になって、もう何年も圭司の裸なんて見ていない。 服の下から現れた彼の裸体は、 さっきのぼんよんとした中年男とは違って引き締まっていて、 とてもたくましかった。   「下も!」   促されジーンズのファスナーを下ろす手が震えそうになる。 ためらいがちにパンツまで下ろすと、 始めてみる圭司のモノがあった。
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