家族?だんらん。

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そう聞くと、おじさんはおかしそうに笑って答えた。   「うちの店は番台は無いのよ。それに優秀なスタッフに任せてるから大丈夫なの。私はマコちゃんと圭司が学校に行っている間にちょこっと顔を出していれば良いの」   そんなものかと納得した真琴は、 それきりおじさんの仕事については気にしなくなった。 ともかく、おじさんがいつもいてくれるので、 真琴は毎日、学校から帰ると隣家で過ごしていた。 圭司とも兄妹のように仲良くなった。 年上の彼には宿題を手伝ってもらったり、 テスト前にはよく勉強も見てもらった。 高校受験も大学受験も、圭司のおかげで合格できたようなものだ。 そんなふうに過ごして来たから、 大学生になった今でも、真琴は自分の家より隣家にいる方が落ち着く。 おじさんと、圭司と、三人で食卓を囲んでいる時が、真琴の一番楽しい時間だった。   「おじさんおかわり!」   「はいはい」  
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