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(おじさん、すごくこまってるみたいだなぁ。そりゃ、一度に三人も辞めちゃったら大変だよねぇ)
真琴がおかわりのカレーをあらかた食べ終わっても、バイトは見つからないようだった。
(おじさんの店って、確かお風呂屋さんっていってたよね……)
何件目かの電話を切ったおじさんが、
大きくため息をついた。それを見た真琴は決心して立ち上がった。
「おじさん、私がバイトしてあげる!」
「えっ!?」
「えぇっ!?」
圭司とおじさんが同時に大声を上げた。
二人とも目を真ん丸くして真琴を見つめている。
「今までずっとおじさんにお世話になってきたんだもん。おじさんが困ってる時は恩返ししなきゃ!」
そう言って胸を張った真琴に、
圭司が焦った声で叫ぶように言ったら。
「おまっオヤジの店がどんな所か分かってんのか!?」
「へっ?お風呂屋さんでしょ?」
「お風呂屋さんって……」
呆れたように圭司は額を押さえる。
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