嘆きの湖畔

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 しばらく歩いてみた。土は湿っているが滑る感じはしない。少々小石が混じっているせいだろうか?  そんなに長い距離を歩いた訳ではないが、全く景色が変わらない。木しかない。たまに風が吹くだけ。  薄い色合いの葉。葉が小さい。桜の葉みたいだ。大木は色が濃いイメージがあったけど、そうでもないのかな。道は左に曲がっている。  木の数が、少なくなった気がした。  左のカーブを歩いて行くと、湖が見えた。割と大きな湖みたいだ。水平線が見えて、水面が揺れている。水際に15センチ程の草が生えて、天気がよければ綺麗かもしれない。  曇っているせいか、元々こういう色なのか、湖は暗い感じがする。今まででこの湖が一番色素が濃い。どんよりしていて重苦しい。近づいて覗いてみた。魚はいるのだろうか? 暗くてよく分からない。まぁこんな水際にはいないだろうけど。  遠くの湖畔に家が見える。  ログハウスだ。煙突から煙が出ている。  煙が出ているって事は、人がいるのだろう。  誰がいるか分からないが、取りあえずそこに向かって歩いてみた。  そんなに大きいログハウスではない様だ。て言っても、ログハウスの平均規模なんて知らないんだけど。   家はそんなに新しい感じではない。大分前に建てたのだろうか?  階段が四段。大分歩いた感じだ。土が付いている。  煙突から出ている煙。どんな人が住んでいるんだろう? 仙人? 小人? もしかして喋る動物とか?  等身大の鼠とか蛙だったらどうしよう。  てか何て言おう、すみません、道に迷いました、ここどこですか? 微妙に不自然な気が……。行き先聞かれたら何て答えよう、現実世界?  なんか段々混乱してきた。今になって変な世界に来たと実感が沸いてきた。  階段の下でそんな事を考えていたらドアが開いた。
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