嘆きの湖畔

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 目が覚めると、アリスさんはベットにいなかった。もう起きた様だ。  私はベットから出て、カーテンを開けた。今日も曇っている。  昨日、アリスさんの話を聞いて、あんな夢を見たんだろうか?  あの歌、昔流行った歌だ。学校でみんなで歌ってた。  エイジって、子供の頃好きだったバンドのヴォーカルだよね、懐かしい。  雲を見ていた。とても厚い感じで、太陽は見えそうにない。昨日もこんな感じだった。  ……夢。  なんだろう、なんか前も同じ夢を見ていた気が……。  夢?  そんな感じじゃない、何か別の感覚がする。  なんだろう?  アリスさんといい、何かどこかで一度経験した事のあるような……。  でも私は、ステージで歌った事なんてある訳ない。  なのに何でこんな感じがするのだろう?  その時、実家にあった自分の部屋の天井の模様を思い出した。  電気を消して、寝るまでの間に見た天井。  ……?  なんでそんな事思い出したんだろう?  雲の流れが早い。今日も風があるみたいだ。  早く着替えよう、アリスさんが村に行く事情もあるし。    
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