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大学を出て、今の会社に就職した。
同期の子達は何人いただろう? 確か40人位いたかな。その中で、同じ部署の子が7人いた。
何かの集まり……新入生の説明会だったかな。会議室に案内されて、私が入って行った。
なんか、雰囲気が違っていた気がした。私だけ浮いてる気がした。
もしかしたら、気のせいだったかもしれない。
あの時の私は、失恋が原因で精神状態が普通でなかった。大学時代、頼りにいた恋人が去っていった。
──もう、おまえとは会わない。
言ってる事が、理解出来なかった。
まるで頭の上を何かが掠める様に、あの人の声が通りすぎた感覚だった。
声が出なかった。あの人が面倒臭そうに後ろを向いて歩いて行くのを、呆然と見ていた。
──もう、お前とは会わない。
それからしばらくの間、壊れたレコーダーの様にその言葉が回っていた。現実がフィルターがかかったみたいに見えた。
だからそういう風に感じたかもしれない。もしかしたら、落ち込んでいる暗い雰囲気が、伝わったのかもしれない。
その後も、みんな飲みに行ったり、化粧品の話をしたりしていたけど、私はもう完璧に外れていた。
何がどうしてそうなったのか、自分でもよく分からない。
でも、もう彼女達の中に入ろうとは思わなかった。どうでもよかった。
仕事も思ったより楽しくない。
一度、会社を仮病で休んだ事があった。少し街をふらふらした。
でもそれもさして楽しくなかった。結局、部屋でテレビを見ていた。
友達と連絡を取ろうとも思わなかった。段々疎遠になっていった。
何も楽しくない。週末に出かける事も、さして無くなっていた。
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