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そんな王子を遠くで見ながら
花梨は杏樹と教室に向かう。
花梨
『毎日、毎日いつでも
見れる人間にキャーキャー
よく騒げるわよね~?
あれだけ叫んで声が
枯れないのが不思議よ‥
みんな、一体どんな声帯
してるんだろうね?』
と花梨は首を傾げた。
杏樹
『花梨って本当に女の子?
どうして、そこで声帯
って話になるの?』
花梨
『え?だって私
[みんなの王子様]には
興味が湧かない質だもん』
呆れた‥と言いたげな
顔になった杏樹も、ふと
考える顔をしたと思えば
杏樹
『でも確かに毎日、叫んでも
枯れない声は不思議かもね?』
とクスクス笑った。
花梨
『でしょ~?
て言うか私に女の子?って聞く
杏樹だってどっちの王子にも
興味、持ってないじゃない?』
杏樹
『‥…興味ないって
言うか私は理想が高いの!
も~っと年上で誰にでも
溢れるような優しさを
持ってるけど芯が強くて
心の奥に情熱を宿してるって
感じの人が良いんだもん』
花梨
『‥……それって
響おじ様の事でしょう?』
と花梨は杏樹に突っ込んだ。
杏樹
『だって私はパパが
理想の人なんだも~ん』
と杏樹はニッコリ笑った。
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