(2)黄色い悲鳴と二人の王子

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まったく‥ 相変わらずのファザコン なんだから杏樹は… と花梨は本日、何度目かの 溜め息を吐いた。 だけど気持ちは解る‥ 杏樹の父親の響[ヒビキ]は 見た目も繊細な雰囲気で 誰にでも凄く優しいが 意外にも情熱的で何よりも 愛妻家で、とても子煩悩だ。 私が、もし杏樹だったら 杏樹と同じ事を言うかもなぁ~ そんな事を花梨が 一瞬、考えていると… 杏樹 『花梨?どうしたの?』 杏樹が花梨の顔を覗きこんだ。 突然、立ち止まった花梨を 不思議に思ったようだ… 花梨 『ん~ん?何でもないよ? 杏樹の今の笑顔を見た男子が 顔を赤らめてるなぁ~って 思ってただけよ』 そう言って花梨は笑いながら 教室に入りかけた杏樹に 廊下の男子達を、こっそりと 指差した。 .
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