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まったく‥
相変わらずのファザコン
なんだから杏樹は…
と花梨は本日、何度目かの
溜め息を吐いた。
だけど気持ちは解る‥
杏樹の父親の響[ヒビキ]は
見た目も繊細な雰囲気で
誰にでも凄く優しいが
意外にも情熱的で何よりも
愛妻家で、とても子煩悩だ。
私が、もし杏樹だったら
杏樹と同じ事を言うかもなぁ~
そんな事を花梨が
一瞬、考えていると…
杏樹
『花梨?どうしたの?』
杏樹が花梨の顔を覗きこんだ。
突然、立ち止まった花梨を
不思議に思ったようだ…
花梨
『ん~ん?何でもないよ?
杏樹の今の笑顔を見た男子が
顔を赤らめてるなぁ~って
思ってただけよ』
そう言って花梨は笑いながら
教室に入りかけた杏樹に
廊下の男子達を、こっそりと
指差した。
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