はじめの一歩

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「おい、アンタ!」 俺が声を掛けると、やっと俺の存在に気付いたらしいお兄さんだかおっさんだかは、俺の顔を凝視してきたかと思いきや 「……何の用だ?」 と、そっけなく返してきた。 …何の用だ?って…あんな暇そうにしてた癖にもうちょっと愛想良くできねぇのかよ! …っと危ない危ない。もうちょっとで口に出すとこだった…! ……ん? あれ…、何か、見てる………? あ、目ぇ合った。 あれ…何か3割増に機嫌悪くなってない…? 「悪かったな、愛想悪くて。…お前…声に出てたぞ、さっきの」 え、まじで? 「…あぁ」 やっべぇぇぇ…まぁ取り敢えず謝っとくか…! 「す、すんません」 「…ぶっ」 ん? 「ぶ…っクックックッ」 ……。 え、今の笑うとこ…?! いきなり笑い出した警備員さんは、俺の頭を撫でながら悪い悪いと言ってきた。
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