図書館のいばら姫

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「辻くん…何をするつもりなんでしょうか‥?」 取り残された彼女はきょとんとして首を傾げたままだった。 ********** そして迎えた翌日の昼休み。義高はまた図書室に来ていた。 「よーし‥こんだけあれば何とかなるだろ…」 「あ、あの辻くん?何をする‥おつもりですか…?」 「お前のイメチェン計画立てようかと思って図書室にある雑誌とか片っ端から借りてきた」 「い…めちぇん‥?」 「そ。2月っていやバレンタインがあるだろ?まだ2週間近くあるし…それまでにお前のイメチェンして相手に意識させるんだよ」 「そ、そんなっ…わ、私にはむ‥無理ですよっ‥たった1回…1回しかお話‥してないのに…」 「よしルール決めるぞー‥“無理”とか“出来ない”とか否定する言葉は禁止な?」 「あ、あの…」 「やっぱ見た目から印象付けてった方がいいんだろうなぁ‥髪型とか変えてってみるとかいいかもな?」 「あ、あの‥っ…!」 さっきより少し声を大きめにして彼女は制止した。 「どうして…私に‥協力…してくれるんですか‥?」 “辻くんは関係ないでしょう?”───そう目で言われてしまったような気がした。 「紅玉を見てると‥自分と重なって見えるんだ」 「辻くんが…私と‥?」 「俺も…自分が何したいのかわかんねぇから紅玉の事助けたら───はっきりするんじゃないかと思ってさ‥」 「何で…そんな事考えるように‥?」 「え?あー‥その、さ…すっげー言いにくいんだけど‥俺のあに…いや、友達がさ───」 義高はここ最近の自分の様子を少し隠して話した。 「つまり…仲良しの男の子のお友達と‥女の子のお友達が…お付き合いを始めて‥一緒に居づらい…って事‥ですよね?」 「要点だけをまとめるとそういう事だ───何か…利用するみたいで感じ悪いよな‥嫌なら嫌って言っていい」 「やります…私」 「え?」 「“いめちぇん計画”に…のります」 こんな話をすれば絶対嫌がるだろうと思っていたのに。 彼女はやる、と言い切った。 「辻くん…昨日の朝‥助けてくれましたから‥そのお礼です」 彼女はそう言ってよろしくお願いしますと小さく頭を下げたのでこちらこそよろしくと義高は返した。
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