図書館のいばら姫

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「具体的に‥何をすれば…いいんでしょうか‥?」 「そうだなー‥クラスの女子の話だとまずはおしゃれとかするらしいぞ?」 「クラスの方が…?」 「俺、恋してる女の気持ちとかそういうのよくわかんねぇし…身近にいる女子なら何か解るんじゃないかと思って聞いてみた」 「おしゃれ‥って事は…お化粧すればいいんでしょうか‥?」 「多分そうだと思うぞ?ほら、この雑誌とか“恋する女子に必見おしゃれアイテム”とかあるし‥」 「こういう‥雑誌から…お勉強出来るもの‥なんですね…?」 義高が雑誌を見せると彼女はメモを取る。早速2人は計画を実行していた。 「なぁ…紅玉の好きなヤツってどんなヤツなんだ?」 「えっ?」 雑誌に目を向けていた彼女は義高の問いかけに首を傾げる。 ───しまった、深入りしすぎたか。 「あ、いや…性格とか‥見た目とかそういうのが解ればよりソイツの好みに近いイメチェンが出来るだろ?」 「なるほど…辻くんは‥優しい方なんですね」 「え?」 ―――優しい?俺が? 君を利用しているような人間なのに? 「こんなに親身になってくださる人がいたのは初めてで…凄く‥嬉しいです…」 「そ、そんな大袈裟な事してねぇよっ…ほ、ほらっ‥髪型やってやるよ、どれだっ?メガネもとろうぜ?」 急に照れてしまった義高はそれを隠すように彼女のみつ編みをほどいた。 「ほら、こうやって髪ほどいてメガネ取れば案外かわいくな───?」 「つ、辻くん…め、メガネは‥か、返してください…っ‥」 勢いでやってしまった事だったが、義高はその姿に唖然としてしまった。 ―――めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか… 髪はみつ編みをしていたせいか少しクセがついてウェーブがかかっており、うつ向いていた顔がいつも以上の至近距離ではっきりと見えた。 ぱっちりした目に整った鼻。白くて手入れの行き届いてるように見える肌は、義高が今まで見てきた女の子のどの子よりも綺麗だった。 「辻くん…?」 「ご、ごめんっ!こんな可愛い子初めてだって見とれてた‥」 「か、可愛いだなんて‥そ、そんな事…な、ないですよ‥」 2人して顔を赤くして同じようにうつ向いた。 (な、何を口走ってんだよ‥俺は───)
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