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こんなことを言ったのは
グループのリーダー的存在の
萩原雄太 はぎわらゆうた
だった。
十五歳なのに気楽そうに
タバコを吸っていた。
いまじんは曲の間奏に
なったとき
「そんなのなしだよ、
雄太!」
と口答えした。
「じゃちゃんと歌えよな。」
「・・・。」
雄太はにやりと
いまじんをにらみ、
口からタバコの煙を吐いた。
ミラーボールは
めまぐるしく回りながら
雄太達をにらんでいた。
結局いまじんの
採点はわずかに
八十点に届かなかった。
みんなは笑った。
「いまじんダメじゃん。」
「ってか次雄太歌ってよ!
久しぶりに聞きたいな!」
「マ、マジで?じゃ、じゃあ
俺九十点以上いったら
いまじんのおごりのピザ
全部俺いただくぜ!
ははは。」
と、ジョークを飛ばした。
おチャメで冗談の通じない
いまじんは
「どっちにしろ俺
ピザおごんの?」
とまゆげをハの字にして
半泣きしていた。
周囲は笑いに包まれている。
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