不良のジャニーズJr.

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 入学式当日。 「おい!雄太!仁!いまじん! 朝だぞ!」 「…」 雄太達は起こされ 八時ごろジャニーズJr.の ために作られた寮を出た。 雄太は学校への道路を いまじんとともに歩いた。 雄太と仲の悪い仁は 雄太を避けて歩いていた。 春の風は冷たくて 肌によく染みる。 その風を浴びて桜は 繊細ながらも優しく 満開に咲き誇っている。 「ここが次の新しい カンキョーか。」 雄太は緊張していた。 冷たい風が雄太の 金色の髪を撫でた。 同時に蚊にさされたかのように 彼の心はくすぐったかった。 とても切ない気持ちだった。 「雄太。」 隣からいまじんが 雄太に話しかけた。 「・・・。」 二人は何も話さずに 学校に入り入学式をする 体育館まで向かった。 そしてクラスの表を見た。 「雄太。 俺と雄太同じクラスだぜ! やった!」 「うっせー。 あいつもいることで 機嫌わりぃんだよ。」 そう、玉城仁も 同じクラスなのだ。 雄太は仁を目で探した。 仁は寒そうにポケットに 手を入れて ひとりたたずんでいた。 一瞬目が合ったが、 すぐにそらした。 なんだかあまり めでたい入学式では なかったようだ。
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