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慌てるかなみだが、声の主がこちらへ近づいてくる。
立ち上がり、逃げようとしたが立ち眩みの所為でクラッとなり倒れそうになった。
「危ないっ」
台詞と同時にかなみの身体がフワリとした感覚がした。
「大丈夫?」
「あ、はい済みませんチョット立ち眩みしただけ、で……」
(うはっ、見つかっちゃったよ。)
かなみは身体を支えられたまま彼に見とれていると、再び心配そうな声がした。
「あっ!……と、所で、さっき何かを歌ってましたよね?」
「あぁ、僕は音楽関係に携わってるからね」
「そうだったんですか」
「君は?」
「え?」
「君は、何で一人でいたの?」
「あ……」
彼の優しい声で先程の失恋の痛みを思い出すかなみ
悔しさから悲しみに変わり、自然と涙を流す
「……っ」
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