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「少しは落ち着いた?その、ゴメンね?辛いこと思い出させて」
あなたは悪くないと首を振るかなみ
何かを思い出した様に彼はカバンの中を探り始める。
そこから取り出したのは、一枚のチケット
それをかなみに渡して帰っていった勿論名前も告げずに……
次の日、かなみは自室で海で出会った彼に貰ったチケットを眺めていた
「かなみ~便箋と封筒頂戴?……って、それ何?チョット見せて!」
かなみの姉がヒョイと取り上げ、大声を上げた
「ちょっとあんたコレどうしたのよ? しかも最前列!!」
それもそのはず、かなみが持っているチケットは今、人気の彼“ナオト”のライブチケットで姉は彼の熱烈なファンなのである。
チケットは販売開始して十分、時には三分で完売するほどの人気ぶり 勿論、そんな姉が黙っているわけじゃなくかなみのチケットと、自分が持っているチケットを交換しろと言った。かなみは、そんな貴重なチケットを容易く交換するわけがない、寧ろチケットをくれた彼には申し訳ない気持ちだった。
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