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「………………い。せ………んせ……。先生?」
「えっ!?あ……はい?」
しまった。良からぬ妄想をして話しをまったく聞いてなかった。
「どうしたの?ボーッとして」
「いえ…ちょっと風邪気味で…。すいません」
とてもじゃないけど、
『あなたの息子さんに欲情してました』
なんて言えない。
気持ち悪がられるどころか警察を呼ばれそうだし、さっきのことを思うと、なにやら夫人の自尊心をいたく傷つけるかもしれない。
「風邪?大丈夫?」
「すいません。ありがとうございます。それで…?」
聞いていなかったことを申し訳なく思い、もう1度…と目で促す。
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