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私は自分の部屋に愁を案内する。愁は私のすぐ後ろを歩いてくる。
部屋に入ると開口一番愁は言った。
『咲、俺の気持ちは1日思案しても変わらないんだ。愛してる人を手放すなんて考えようがない。』
「愁。私はやっぱり誰かを傷つけてまで付き合うことは出来ないよ。」
『咲は俺が他の人を好きになっても構わないのか?』
突飛な発言に一瞬言葉を失う。
愁が私以外の誰かと恋愛?
嫌だ。
嫌に決まってる。
でもそれを言ったらきりがない。
「大丈夫になってみせる。学校始まって忙しくなれば時が経つにつれて心の痛みも愛してるという感覚も鈍く思い出になっていくはずだよ。愁だって、これからお義父さんの会社の仕事に携わるわけでしょ?忙しくて、私のことを想うことも薄れていくよ…。」
『俺は咲に他に好きな奴が出来るのなんて耐えられない。』
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