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「愁!」
私は叫び、愁の元へと走り出す。
すらっと伸びた身長に、ガッチリとした体。
茶色に髪の毛が陽に浴びて、金色にさえ見える。
愁は3年前よりも大人びていた。けれど優しく微笑む顔は昔のまま。
私は愁に聞いた。
「今日は…。私に会いに来てくれたの?」
小さな声で尋ねるのがやっとだった。
『当たり前だろ?俺言ったよな。いつまでも待ち続けるって。去年も一昨年も俺は朝から晩まで待ってたよ。』
「愁…。」
私は愁の胸に飛び込んだ。
愁の胸あたりの顔を埋めて、ただただ泣いてしまった。
『咲。ここに来てくれたってことはもう一回俺と付き合ってくれるのかな?』
私が言わなければならない言葉を愁はすんなりと言ってくれる。
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