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どうやら、やっとお出ましらしい。
僕もそっと覗いてみた。
闇の中から明かりが一つ、ゆっくりとこちらへ近付いてくる。
先頭を歩くのは提灯を持つ中年の男、そして、後ろには見るからに身分が高そうな五人のお武家様。
僕は六人の顔を一人一人確認する。
今夜の標的に間違いなかった。
僕は一度視線を仲間の方へ戻す。
四つの視線が僕に向けられる。
僕はゆっくりと彼等を見回した後、低く言った。
「手順はいつも通り。怪我しないようにね。」
『了解。』
四人はお互いの顔を見回して小さく頷くと、鍔に手を掛た。
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