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「た・・助け・・・・・・」
なんと痛々しい姿だろう。と僕は思う。
立派な男とあろう人が、僕のような餓鬼に土下座して必死に命乞いをしている。
きっと、これまでも身分が低いというだけで、様々な迫害を受けながら生きてきたのだろう。
僕は片膝を付き、男に微笑んだ。今に殺されると思っていた男は、僕の予想外の行動にただ驚く。
「行ってください。元気なお孫さんが産まれると良いですね。」
僕の思いもよらない言葉に男は目を見開いて驚く。
僕はもう一度男に微笑みかける。
「・・・・・あ・・・ありがとうございますぅぅぅ!!!!」
やっと現状が把握出来た男は、深々と頭を下げて喜びを露にする。
僕は立ち上がると男に背を向けると、その場から立ち去ろうとゆっくりと歩き出した。
すると・・・・・背後から衣の擦れる音と地を蹴る音が聞こえた。
「死ねぇぇぇ!!!」
先程まで腰を抜かしていたはずだった男が、叫びながら僕の方へ向かってくる。
僕は一瞬、苦痛の表情を浮かべ、男に振り返りながら刃先を右上から左下へ勢い良く振り下ろした。
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