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緩やかな弦楽器の音色と共に、二人はゆっくりとステップを踏む。
タン、タンタン。
いくつかの貴族達も一緒に踊り始めて、靴が床に当たる音は大きくなる。
「君の名前は?」
ふと、尋ねないと失礼かと思ってガウェインは聞いた。
「さぁ? もしかして私に気があるんですか?」
茶目っ気たっぷりに首を傾げる彼女。
「まさか。俺はそんか軽い人間じゃないさ」
「まぁ。じゃあ何で踊ってらっしゃるのかしら?」
「さぁな、俺にも分からないさ」
音楽は次第に大きく明るく、激しくなっていく。
その雰囲気に釣られて靴の音も強く、華やかになっていった。
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