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タン、タ、タン、タ、タンタン。
いつの間にかガウェインの心も、色々な思想を取り払って舞踏に専念していた。
右、左、一周回る。
彼女の笑顔が目に焼き付く。
「君の名前は」
彼は、もう一度聞いた。
「まぁ。私に気があるの?」
彼女は、もう一度聞き返した。
「俺は、軽い人間じゃない。でも、パーティーで一緒に踊ったパートナーぐらい覚えておきたくてね」
「ふーん。まあまあかな……」
「何がだ?」
「口説き文句にしては、まぁまぁだってことですよ」
「調子に乗るな」
彼は、自分の顔が綻んでいるのに気がついた。
笑うのは何年ぶりだろうか?
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