最強の騎士ガウェイン

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 期待していた分がっかりした。 「あら。誉められることを期待してたんですか? ごめんなさいね」  悪びれもしない言いように少々、苛立ちを覚えたが、その顔を見て思い直した。 「私は、誉められることが好きでね」  もう一言付け足しておこう。「……例えそれが誰でもね」 「まぁ、意地悪な人」 「君こそな……。このガウェインの名と分かりながら話し掛けるとは、なかなかの勇気と意地の持ち主だ」  少し仕返しだ。  今頃になって酒が回ったかな。最高の美酒の……。 「噂は常に尾鰭がつくもの。人魚のように」 「俺はマーメイドじゃない」 「男ですからね……。男性の人魚はマーマンですよ?」 「どっちでも同じさ……」 「どうでしょう?」  彼女と視線が合い、数秒固まる。  そして、二人は……、  お互いに吹き出した。 「くすっ。あぁ、可笑しい。でもなんで笑ってるんでしょう?」 「ハハハ。わからない、でも楽しい」  美酒は、酔いの廻りも速いようだ。  顔が熱くなっているのを感じた。
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