激情

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九鬼浄隆の居城・田城は、北畠具教の援助を受けた志摩七党に囲まれ 城の陥落も間近かと思われた。       まだ十九の血気盛んな嘉隆にとって このような立場に追い込まれたと言う事は、これ以上ない屈辱だと感じ 怒りを露わにしていた。       浄隆はそんな嘉隆をなだめつつ 如何にこの窮地を脱するか頭を抱えていた。       「このままでは亡き父上に顔向け出来ぬ…」    
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