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嘉隆には兄・浄隆の悔しさが痛いほど分かっていた。
兄を助けたい
所領を守りたい
様々な思いが嘉隆を取り巻いている。
兄の為なら命を捨てても構わないと思っていたが
それは兄に厳しく諫められていた。
“それでも私は兄上の前に立ち
兄上を守りたいのだ…
兄上は九鬼家当主
九鬼家の為に
兄上は死んではならない…”
晴れ渡る空には雲一つ無く
吹く風は爽やかで心地良い。
なのに…
矢は飛び交い
鉄砲の音が響いていた。
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