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小さく鼻で笑い、僅かにずらした視線を再び男に向ける。
「お前を雇った奴に伝えろ。オレを狙うならもっと強い奴を使えって。…………言えればの話だけど。」
「は…」
聞き返そうとした男の言葉は続かない。
既に喋れない状態になってしまったからだ。
「‥‥………つまらなさ過ぎるんだよ。」
足元に転がった頭を一瞥して小さく呟き、今しがた付いたばかりの血液を振り払って刀を仕舞う。
そのまま路地裏を後にしようとしてふと、その足を止める。
「……いつまでそこに隠れてるつもりだ?」
声を掛ければ向かう先とは反対側の路地から一人の男が姿を見せた。
「‥ハッ、バレてたってかよ。」
「当たり前だ。そんな殺気丸出しで気付かれないとでも思ったか?」
「チッ!」
振り向き様に吐き捨てれば、男は忌々し気に舌打ちをした。
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