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「で?何なの、お前。」
聞いてみれば男は鋭い視線で睨め付けてくる。
そして、足元に横たわる死体を顎で指す。
「お前が今殺った奴の仲間だよ。」
「あっそ。じゃお前もコイツと同じでオレを殺しに来たって訳?」
「そんな話は俺は知らない。だが、確かに今お前を殺してやりてぇよ。」
言葉と同時に広がる殺気。
男の言葉を聞いた直後、青年は「ク…ッ」と喉で笑った。
その様子を見た男は鋭い視線で彼を刺す。
「‥‥何が可笑しい。」
「いや、別に?」
そう言いながらも緩んだ表情は戻らない。
そして男の方も溢れ出す殺気を消そうとはしなかった。
………だが、男が刀を抜く気配は一切無かった。
「………あのさ、アンタオレを殺したいんじゃないの?」
男が一向に刀を抜こうとしない状況に痺れを切らし、吐息を付きつつ言うと、男は苛立たし気に眉根を寄せた。
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