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泣きじゃくるサキの姿に、声を掛けたくても届かない。
泣くなよ…サキ。
ごめん…ごめんな
謝ってばっかだけど、謝る事しかできない。
サキと結婚して、普通の家庭をもって。
日曜日には『掃除できないから早く起きて』とか言われて叩き起こされたりしてさ。
そりゃあ…裕福な生活とか楽にさせてやるとか言い難いけど、そんな当たり前な日々がこれから送れるのだろうと甘く考えてた。
僕の葬儀は急遽行われ、三日後には僕の身体は灰になった。
葬式の時、薬指にRINGを嵌めてくれてるサキの姿に、何とも言えない感情が込み上げた。
サキは涙一つ見せずRINGを眺めては、僕の遺影を交互に見ていた。
薬指に嵌めたRING…どういう想いで…
嬉しい反面、悲しく複雑な気持ちになった。
なぁサキ…僕の骨見てどう思った?
涙一つ見せない君は…強いのか…
それとも弱いのか…
僕には解らない
君は今何想う?
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