事実は…残酷でゴザイマス

7/7
前へ
/31ページ
次へ
    泣きじゃくるサキの姿に、声を掛けたくても届かない。     泣くなよ…サキ。 ごめん…ごめんな     謝ってばっかだけど、謝る事しかできない。 サキと結婚して、普通の家庭をもって。 日曜日には『掃除できないから早く起きて』とか言われて叩き起こされたりしてさ。 そりゃあ…裕福な生活とか楽にさせてやるとか言い難いけど、そんな当たり前な日々がこれから送れるのだろうと甘く考えてた。     僕の葬儀は急遽行われ、三日後には僕の身体は灰になった。 葬式の時、薬指にRINGを嵌めてくれてるサキの姿に、何とも言えない感情が込み上げた。 サキは涙一つ見せずRINGを眺めては、僕の遺影を交互に見ていた。     薬指に嵌めたRING…どういう想いで…     嬉しい反面、悲しく複雑な気持ちになった。     なぁサキ…僕の骨見てどう思った? 涙一つ見せない君は…強いのか… それとも弱いのか… 僕には解らない 君は今何想う?    
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加