433人が本棚に入れています
本棚に追加
/248ページ
「ほらほら、早く入って」
千尋が4人を連れ戻しては経堂寺はすぐにトラックの荷台を指さす。
「荷台?」
進藤が苦笑いする。
「まぁ俺達はお荷物だけども」
「全然上手くないよツルちゃん」
剣山は桜井に突っ込んでいたが会話は止まらない。いや止まらせない。
「もう、いいや」
千尋が荷台の扉をあける。千尋は叫ぶ。千尋はケースを抱え荷台に突入した。
「いやっふぃー!!」
進藤が千尋の声を聞き目を細める。
「気が狂ったか」
進藤が扉の開いた荷台を覗きこむと――
「……!」
テーブル、ソファー、本棚、冷蔵庫、テレビ、さらにはベットまでが完備された「部屋」が荷台に展開されていた。
千尋はベットではしゃいでいる。
「わ、悪くはない」
進藤は楽器を荷台に持ち込み、そのままソファーに座った。
「なによこれ……」
「ホテルみたい!」
「キャンピングカーとデコトラの違い知ってるのか……?」
他の3人もとりあえずは中に入る。
「扉しめろー」
運転席から経堂寺の声がする。
全員が一斉に我に帰る。
「経堂寺の私物だ、これ」
千尋が冷や汗をかきながらも扉を閉め、トラックは三条高校へと動きだした。
最初のコメントを投稿しよう!