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「えー!」
剣崎が改まったように咳払いをした後、一条高校吹奏楽部五人を流れるように見渡した。
「初めまして。私は三条高校吹奏楽部の部長、剣崎と言う。ちなみに…………そいつは私の後輩だ」
そう言い切ると剣崎は千尋に指を指した。もちろん全員からしっかり目線を頂いた千尋。
「いやん、照れる」
「こっちが恥ずかしいわよ……」
神川が顔を赤らめて下を向いた。
「では、今から交流も兼ねてお決まりの自己紹介をしてもらう」
「あ、いいですか?」
剣崎がそういうと先程の小さな女の子が剣崎の顔を覗きながら前に出た。
「あぁ」
「はい!私、早川メイ【ハヤカワメイ】です!楽器はトロンボーンです」
そういうと小さい体を前に倒しお辞儀した。
トロンボーンに進藤が少し反応していたものの、あまり深くまでは気にしてなさそうだ。
「はっはぁぁぁ!」
でやがった。こちらもさっきの奴。ホルンを持って暴れていた奴だ。
「俺は清水大介【シミズダイスケ】楽器はもちろーん!ホルン!」
急にホルンを頭に被って中腰になる。全然カッコ良くない。
もうこいつだめだ。
それに何故か桜井だけが拍手している。この子もなかなか危うい。
清水も見た目は剣山と変わらないくらいのワイルドさだ。短髪な所は似ているが雰囲気にまでは明るさは無く清水に居たってはうっすら赤黒い。
「まったく……。はい次!」
剣崎が次へと話を進める。
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