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「こいつ……馬鹿ですまん」
ちょっと控えめに前に出たのは中々の長身に加えメガネをかけると言うインテリ風潮の男子だ。
ぱっと見はこの中で一番まともな気もする。
「俺は奈神大雅【ナガミタイガ】一応中学からフルートやってる。気兼ねなくどうぞ」
奈神はさらっと紹介を流し、次へと促した。
「ほいっ!アタシ水木綾【ミズキアヤ】!まぁアヤちゃんとでも呼んで下さい!」
「……うん。楽器は……」
千尋がすかさずに突っ込んだ。
「はっ……!えー、バスクラリネットです!以上」
彼女は水木綾【ミズキアヤ】。三条の中で1人だけジャージ姿の2つ括り。いかにも元気そうだが、なんかネジが外れてる気がする。嫌な予感。
「あ…………橋本南【ハシモトミナミ】…………クラリネットです」
暗い。空気が重くなった……。
彼女は橋本南【ハシモトミナミ】
見た感じは多少オカルトな雰囲気を醸し出していて、大きめのメガネと長い前髪で目がほとんど見えない。
「……以上、三条高校はこんな感じのメンバーで頑張っている」
「おうっ、特に俺様はと言うとだな――」
何故かいきなり横から清水が割り込む。剣崎は睨むように清水を見た。
「水木、つまみ出せ」
「すいませんでした」
中々素直な奴だった。
「千尋、お前らだ」
「あぁ、はい(やばい、なんか俺が代表みたいになってる)」
千尋は引き腰ながらも胸を張ると言う、心に矛盾を生じさせながらも一歩前へ出た。
「俺は新井千尋!元剣崎先輩の後輩!楽器はアルトサックスです!」
そして決まったと言わんばかりの顔で一条側を向いた。
「猿が」
「……自己紹介とか、ブツブツ」
千尋はとりあえず進藤と決着をつける事にした。そして剣山はかなり緊張しておかしくなっている。
すると桜井が手を挙げた。
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