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「おいこらテメーら合奏だ」
いきなりドアを開けてはズカズカ踏み入ってくるピンクジャージ、経堂寺だ。
なんたって全員の共通点は経堂寺。千尋達からすれば合奏なんてしたことないけど(昨日だもん)何だか顧問はこの人なんだと自覚し始めている。
前にある指揮台に立つは経堂寺。全員に座るよう指示を出した。
手前にクラリネット2本とフルート。
次にバスクラ、サックス、ホルン2本。
さらに奥にトロンボーン2本にトランペット。
そして横にチューバ。
「(なんだこの編成ぃぃぃ…………パーカスは?ねぇパーカスは?)」
千尋はなんだか納得がいかないというかモヤモヤした気持ちになる。まだ音楽室が埋まりきってないという寂しい感じで心が埋まった。
「よーし、チューニングだ。なんでもいいから先にクラリネット2本で合わせろ」
めっさ上からだ……。
神川は戸惑いながらも落ち着く橋本のリードで綺麗に音を合わせた。
「ほれフルート。さぁ順番にー」
経堂寺は高音域から順番に指を指し音を重ねていった。
「…………!」
進藤は目を丸くしていた。
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