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「千尋だっけか」
「あぁ、なっちゃん」
「奈神だ。なっちゃんてなんだなっちゃんて」
奈神が大きくため息をつく。すると千尋がハッとしたように手を挙げた。
「なんだ新井千尋」
経堂寺は千尋をパッと見た。
「なんの為にこんな合同練習を……」
全員は一斉に千尋を見た。
『確かに』
なんだか『経堂寺だから』で済ませていたからか、内容が良く分からなかった訳だ。
実際雰囲気から察して、三条の生徒達も何も分からないままの今であることは分かった。
「あぁ、あんたらちょっと音楽会でてもらうわよ」
「は、はい?」
すぐさま神川が経堂寺に疑問符を投げつける。経堂寺は自慢げに胸を張り、全員を見回した。
「十分じゃないのさ。まぁクラブの一環でね、8月にある県総合音楽会っていう音楽ならジャンル不祥の祭りがあるのよ」
経堂寺がニッコリと笑う。経堂寺の笑みはろくな事がない。
「楽しいわよー!で、あんたらに」
全員は経堂寺の目を見た。
「暴れていただきます!」
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