催し物は催す為にあり

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「(確かここだな)」 進藤は駅の前のオブジェの前に立ち、辺りを見回した。実は進藤自信、一つ不安があるらしい。 “どんな顔だったか” 「(参ったな。これじゃさっぱりわからない。とは言えど、さすがに楽器があればわかるか)」 進藤は学校から借りているトロンボーンを肩から下ろし、ふと時計を見た。 時刻は夕方の6時を回っており、針は15を指している。 「(時間だな。ルーズだと気に食わんが……)」 すると、向こうから小さい女の子が走ってきた。 「す、す、すみませーん!!」 かなり慌てた様子で、進藤も突然の登場にびっくりした様子だ。 「あぁ、構わない。早川で間違いないな?」 「あ……はいっ!」 輝かしいくらいの笑顔で、背中のトロンボーンを進藤に見せ返事した。 「いきなり呼び出して悪かったな。曲の事で色々相談があるんだが、いいか?」 「はい、もちろんです!むしろ是非ともですよ!」 かしこまるように早川は返事をした。 「ありがとう。なら、行こうか」 そういって2人は歩き出した。
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