催し物は催す為にあり

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スタジオの前についた2人。中々こじんまりとした見た目のスタジオだが「―和音―」と書かれた看板がある。 「経堂寺の言ってた場所だ。入ろう」 「はいっ」 2人は悠長なく入り、経堂寺が説明した通りに「経堂寺先生からの予約」と通せば、受付の若いお兄さんが無償で通してくれた。 とりあえず、分厚い扉を開けては部屋にはいると、そこにはソファーやらなんやら、家具含め音楽機材などが並び大きさは15畳程と言った所か。 とりあえず2人は荷物を置き、テーブルを挟んだ向かい合わせの小さなソファーに座った。 「経堂寺のやろう。相変わらず予想を凌駕する準備だ」 進藤がびっくりし続けである。まだ冷や汗のようなものが止まらない。 「ほんと、何者なんでしょうか」 キョロキョロする早川。それを見た進藤が話を始めたが 「改めて、俺は進藤光。よろしく。今回デュオが出来る機会があって、全力で取り組みたいと思ってる」 早川はあっけに取られたが、すぐさま切り返した。 「早川メイです!ちょっと任せきりになって申し訳ない限りです……」 進藤はすかさず「こういうの好きだから」と少し笑んで返した。 早川は激しく安心した。 そこからしばらく、楽譜と楽器を使い打ち合わせが始まった。
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