催し物は催す為にあり

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「おいおい、それはまずいって」 「いや、おいしいから」 千尋と剣山は駅前のファミレスに来ている。もちろん、言わずもがなな所だが、スタジオに入った2人を後目に諦め晩飯を食べに来たという魂胆だ。 今は千尋がドリンクバーで千尋特製ミックスジュースを作っている。 「やめとけって」 「え?ウーロン茶いれるの?」 「ウーロン茶なんて微塵も言ってないって。やばいって、緑だって」 「よしできた」 「……」 2人は怪しい液体を持ち、大きなガラス張りの窓のそばの机に座った。 「チャラチャラーン。千尋特製ミックスジュースを街ゆく人達にお目見えー」 「中学生かって!」 「てなわけで、遠慮せず」 「遠慮というか拒否だ拒否」 「拒否権はあまりありません」 「……あまり?なんでまた」 「やはり、死の危険を感じた場合のみ拒否権をね」 「するから、この飲み物するから、ダメダメ」 剣山がジュースを千尋に返した。 「ふむ。」 千尋がジュースを覗き込む。 「安全性と将来性しかありませんから、安心して」 「将来性ってなんだよ」 「いいから飲め」 「わ、やめっ」 ゴクリ 「う」 剣山はトイレへと走った。 千尋は満足げな様子だ。 “コンコン” 「ん?」 千尋が窓を見ると、そこには呆れ顔の進藤がいた。
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