催し物は催す為にあり

16/18

433人が本棚に入れています
本棚に追加
/248ページ
3方、メニューが出揃ったが全員同じ。 「真似るな」 「うるせぇ猫。お前が真似たんだろ」 「さすがに今回言わせて貰うけどさ、一番始めに頼んだの俺だから」 剣山の声虚しく、2人はご飯を食べ始めた。 「あ、進藤よー」 千尋が手を止め進藤を見た。 「なんだ。食事の邪魔をするな。」 「知るか!んなことよりちゃんと家まで送ったのか?早川さん」 進藤は「あぁー」といい、布巾で口を拭った。 「いや、駅で別れたけど」 「まじかよ」 剣山がびっくりする。 「何がおかしい。わからんがとりあえず」 ドバッ!!!! 「ああああああああ!」 千尋と剣山の商品がタバスコだらけになった。まるで血だ。進藤の顔はもう鬼だ。 「また付けたな。…千尋」 「あ、そのあのですね………………………はいっ!」 バシッ 「いってぇ!」 千尋は叩かれた頭を抑えた。 「ったく。お前らお子様が考えてるほどな、やましい事はねぇんだよ」 進藤はため息をついた。 ピロリロリーン 机の上にある進藤の携帯が鳴り、小さなディスプレイに文字が移る。 『ハヤカワ メイ』 「う」 進藤は携帯を手で塞いだ。すでに遅し。 「ほーう、別れてさっそくメールねぇ」 千尋がにやつく。気持ちが悪い。 「進藤も中々やるなぁ」 剣山はタバスコだらけの商品をなんなく食べる。辛いのは得意なようだ。 「別に何もない。今日の連絡のみだ」 「なら読み上げようか」 千尋はさらに追い討ちをかける。 進藤は息を呑んだ。 「馬鹿、だれが……」 「やめろよ千尋。進藤だって男だ。見られたくないメールの一つや二つ……」 「ね、ね、ねぇよそんなのは!!」 進藤は携帯を懐に握り珍しく叫んだ。 「構わん、読んでやる(早川……早川……お前なら真面目な真面目な真面目なメールを送ってくれてるに違いない)」 進藤は携帯を開け、誤解を解くために運命のメールを開けた。 なんで俺が一々いじられないといけないんだ(進藤談) クール気取るからじゃね?(経堂寺)
/248ページ

最初のコメントを投稿しよう!

433人が本棚に入れています
本棚に追加