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「『進藤さん、今日は色々とありがとう』……(普通だ)」
「ほう、まだあるな」
千尋は無駄につっかかる。進藤は舌打ちをした。
「『私もまだまだだと実感させられました。ほんとに上手ですよね。私ももっと答えられるように頑張ります!』」
「なんかやらしくねぇか?お前何が上手なんだよ」
「お前死にたいのか」
剣山が余計なちゃちゃを入れる。たしかに思えなくもない。進藤はため息気味にまた続きを言い始める。
「『あの曲をもっと練習してくるので、また次を楽しみにしてます。また連絡下さいね』……………………ほら見ろ。以上だ。何がやましいだこのボンクラ共が」
進藤が突然ドヤ顔で携帯の文面を2人に見せ始めた。人間確信を得ると強いことは進藤を例にして学べる。
「つまんね」
千尋が言う。
「おい、まだ下にPS的なのないのか?」
剣山が期待の一言。
「馬鹿。んなもんあるわけね……………………………………………………ぇだろうが、馬鹿。馬鹿」
なんだ今の間は。
千尋と剣山の2人は進藤を見つめる。進藤は汗たらたらだ。らしくない。意外にシャイだ。
「はい」
千尋は進藤から携帯を強奪し、進藤が奪還する前に読み切った。
「『PS.進藤さんって優しいんですね。良かったらまたクラブ以外でもお会いしたいです。返事まってます』」
進藤は心で色々な意味で泣いた。
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