曲者はいつになっても曲者。彼らの前に現るる

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5人は門を同時に通過し、いつも通りそれぞれの帰路に別れようとした矢先、神川が皆を止めた。 「ねぇ、ちょっと時間あるならどっかいかない?」 真面目そうな神川から意外な一言。 「俺は用事が」 進藤が帰ろうとすると千尋と剣山、桜井がしらっとした目で進藤を見た。 「なんだ」 「せっかく神川さんが誘ってくれたのに。進藤くん冷たいね」 グサ 「やっぱり進藤は進藤か。はぁ、寂しいな」 グサ 「化け猫キャッツアイ」 「それは頂けない」 千尋と進藤はすかさず揉め始めた。剣山が止めに入るが桜井はチアリーディング。神川はため息とお決まりの流れになってしまった。 「ほら!全員行くわよ!」 神川がずかずかと歩き出した。全員は手を止めて神川を見たのち、おとなしくスタスタついて行った。 従順ね。嫌いじゃない(神川談) 俺はたまたま帰り道が逆方向になった気がして、お前らとたまたま同じ方向の帰り道を――略(進藤談) 言い訳が見苦しいわね(経堂寺談)
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