曲者はいつになっても曲者。彼らの前に現るる

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千尋と剣山は早速ガンのシューティングゲームをしている。 桜井は不安そうな顔で2人を見守る。 ゾンビを倒すのが目的のシューティングだ。2人は模型のガンを画面に向けて撃っていた。 「うわっ!やめっ……おおい!」※千尋がやけにうるさい 「頑張って~2人とも~」 「……」 ここで千尋がゲームオーバー。壁に持たれ果てた。 「情けな~い」 桜井が爆笑している。それに引き換え剣山はどうだ。1人になった今でさえノーダメージでステージを次々に跨いでいく。 その様は正に慣れてますよオーラ。 千尋と桜井は輝く目で剣山を見つめた。 「すげぇな…衛」 「剣山君、こんなに上手なんだ」 「……ま、ゲームはちょっとね」 剣山はそう言っては黙々と打ち続ける。 「あらさすが剣山。中学校で不登校の時期に手慣れてるだけあるわ~」※神川が耳元で囁いています グサ 剣山はうっかりゾンビに噛まれダメージを食らった。 「毎日毎日ゲームセンターで」 またダメージ 「時間を潰して」 ダメージ 「無駄な時を過ごしたのよね」 ゲームオーバー。 「神川ごらぁぁぁああああ!!」 剣山が涙目で神川を揺さぶるが千尋が止めにかかる。 「衛落ち着け!神川は間違っている!真実は“学校に行かないとシューティング能力があがる”ことに関係している」 「尚更関係ねぇだろ!フォローにもならんわ!」 剣山は千尋を揺さぶり始めた。 「冗談よ冗談。あんたがそーゆー細かいようなことに向いてるのは小さい時からでしょうが」 神川が笑って付け加えた。剣山本人も真剣ではないので「許す」と半ば笑い気味。 場は笑いのムードが流れる。 「あれ、神川。進藤は?」 剣山が辺りを見回す。 「おかしいわね。まさか帰ったのかしら」 「猫め。帰る家があると思うなよ」 「あるよ」 剣山が冷たく突っ込む。 「あ、いたっ」 桜井が遠くにいる進藤を発見した。
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