ぐっだぐだ序曲

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「とはいったものの………振り出しかぁ…」 千尋が靴箱からお気に入りの白いスニーカーをおろし履く、そして上靴を直す 見慣れた光景 「ん…?」 千尋が校舎を出ようとすると、前に進藤が歩いている 「ふーん………なんかあるかもな…」 千尋はいけないと思いながらも追跡 どうせ駅までは同じ帰り道 つけてやろう しかし、奴はただ普通に歩いているだけ やっぱり面白くない 「もう面倒だな…後ろから脅かしてやろうか」 また千尋がわけわからない思考を始める その時、路地を曲がるあたりで進藤が止まる バレたか………! 進藤は左上の塀を見上げる そこには猫がいた なにやら睨みあいをしている模様 「あいつ…なにやってんだ」 すると進藤が手をのばし猫に触れる 猫は塀から降りてきたと思えば進藤の足に顔をすりつけている 「なにがしたいんだ…あいつ」 千尋は少し近づき、電柱の後ろに隠れる 進藤は座り込み猫を撫でまくったりこちょこちょしたりしている 無表情で ただ 猫はなんだか嬉しそう 「猫好き…?猫耳とか好きなわけか」 明らかに主旨が違う 千尋が電柱から少し顔をだすと進藤がこちらを振り向く 千尋はまた影に隠れる 「やべっ………バレたか!」
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